複数の物理サーバーをひとつの物理サーバーに統合して、仮想化ソフトウェアの上で、複数のOSを動かす「仮想化」に注目が集まっている。
ひと口に「仮想化」といっても、その実現方法にはいくつかの種類がある。ラックマウント型のサーバーを使用する場合や、拡張性に優れたブレードサーバーを使用した仮想化が一般的だろう。
しかし、もう一つの「仮想化」を実現する方法がある。
それが、「仮想化パッケージソリューション」だ。
仮想化パッケージソリューションの定義は、提供している企業によって異なり、明確な定義がないのが実情だ。
サーバーとストレージを組み合わせたパッケージもあれば、クラウドと組み合わせたソリューションも存在する。
ネットブレインズが提供する仮想化パッケージソリューションでは、サーバーだけでなくネットワークとセキュリティまでを含めた仮想化を実現するのが特長だ。
物理 | 仮想化 (ラック) |
仮想化 (ブレード) |
仮想化 (パッケージソリューション) |
|
---|---|---|---|---|
導入コスト | △ | ○ | ○ | ◎ |
ランニングコスト | △ | ○ | ◎ | ◎ |
管理コスト | △ | ○ | ◎ | ◎ |
拡張性 | △ | ○ | ◎ | ◎ |
耐障害性 | ○ | ◎ | ○ | ◎ |
性能 | ◎ | ○ | ○ | ◎ |
物理レイヤ仮想化 | × | × | × | ◎ |
複数の物理サーバーが乱立している状態。
物理サーバーを「仮想化」によって統合した状態。
セキュリティレイヤまで仮想化することによって、1台に集約。
「仮想化パッケージソリューション」を導入するメリットは多岐にわたるが、コスト、拡張性、仮想化の優位性、シンプルなハードウェアの4つの観点から、特筆すべき点を紹介する。
ネットワーク機器やセキュリティーレイヤまでを仮想化するということは、それらの機器が不要になることを意味する。
ハードウェアそのもののコストに加えて、電気代の削減やそれまでサーバーが占有していた物理的な空間の開放にもつながる。
さらに、一元管理による運用管理の効率化など、「仮想化パッケージソリューション」の導入により、大幅なITコスト削減が期待できる。
「仮想化パッケージソリューション」の強みのひとつに「拡張性の高さ」を挙げることができる。
その理由は単純だ。従来まで、増大したトラフィックに対応するためには、ネットワーク機器を増強するしか手立てがなく、そのためには大きな設備投資が必要だった。
しかし、ネットワークを仮想化すれば、CPUを追加するだけでトラフィック増大に対応することが可能になるからだ。
従来までのアプライアンス製品の場合、そのために開発されたASICと専用の制御プログラムによりその性能を最大限に引き出していた。
しかし、ネットワーク上の脅威は日々、進化し、セキュリティ製品もそれに対応する必要がある。
ASICを使用したアプライアンス製品では、その対応にある程度の時間が必要になるが、「仮想化パッケージソリューション」のように、ソフトウェアで対応する場合には、新しい脅威に対しても迅速かつ柔軟に対応することが可能である。
①のメリットと重複する部分もあるが、機器の構成がシンプルになり、管理するハードウェア数を大幅に減らすことができる点は、「仮想化パッケージソリューション」導入の最大のメリットであるといえるだろう。
シンプルであるが拡張性の高いネットワークを実現できる。
ソフトウェアベースであるために、必要な機能を自由に組み合わせることが可能だ。
ここで、「仮想化パッケージソリューション」の導入例を考えてみよう。
VPN網とインターネットに接続された、一般的なネットワークを想定してみた。
冗長化ネットワークを実現するために、左図のような物理構成になっているネットワークに仮想化パッケージソリューションを導入した場合を考えてみることにする。
このネットワークでは既に仮想化環境で、数十台の仮想サーバ(Web、APP、DNS、DBなど)が稼働している
左図の網掛け(青)の部分が、仮想化パッケージソリューションを導入することで不要になるアプライアンスである。
導入後は右図のようなシンプルなネットワーク構成を実現できる。
導入後のサーバー内には、ファイアウォールとL3スイッチ、仮想ネットワークの機能が実装されることになる。
したがって、運用管理者が故障や交換に対応する必要がある機器は、サーバーとストレージのみということになる。
大企業だけでなく中堅、中小企業にまで広がりつつある「仮想化」の潮流について、ITコンサルタントの矢木 眞也氏に、お話を伺った。
——「仮想化」は大規模なシステムだけでなく、中小規模のシステムでもトレンドになりつつありますね。
矢木 「仮想化」にしても「クラウド」にしても、ただ導入するだけでは、きちんとした費用対効果を得ることはできません。導入先の状況に合わせた最適な形で導入することが重要です。豊富な実績のあるネットブレインズであれば、仮想化についてもお客さまに最適な形で提案できると期待しています。
——サーバーの統合によるコスト削減は一般的なアプローチですが、ネットワークやセキュリティレイヤまでを含めた仮想化は珍しい例ではないでしょうか。
矢木 そうですね。その点は、20年の実績を持つ「ネットワーク屋」ならではのユニークなアプローチだと思います。ルーターやスイッチなどのネットワーク機器を仮想化すれば、システムはコンパクトにまとめながら、同時に拡張性や柔軟性は劇的に拡大するでしょう。さらに、ハードウェアの削減は、初期コストとランニングコストの低減にもつながります。
——仮想化のデメリットはないのでしょうか。
矢木 もちろんデメリットも存在します。ハードウェアを集約化するので、物理サーバーへの負荷は当然、増大します。適切なスペックの機器を選択することが重要になります。ここは長年のノウハウが活きるところですね。また、集約化するゆえに、万一のトラブルの際に受けるダメージが大きい点も指摘しておく必要があります。これには冗長化やHA化などの対応策がありますが、費用対効果をしっかりと見極める必要があります。留意すべき点はあるものの、ネットワークの仮想化は、仮想化のメインストリームの一つになっていくものと予想しています。
——ありがとうございました。
VMware(ヴイエムウェア)とは、仮想化ソフトウェアを製造販売する会社と同社のソフトウェア製品の総称。
Windows、Linux、UNIX上でWindows、Linux、UNIXなど任意のOSの仮想マシンを構築して、アプリケーションソフトを動作させることが可能である。
非営利目的のユーザーを対象とした無償製品も提供している。
ウォッチガード・テクノロジー社は、セキュリティ・アプライアンスのパイオニア企業で、SOHOからデータセンターにまで対応できる多彩なラインアップを誇るセキュリティ・アプライアンス製品の「WatchGuard」を製造・販売している。
中東地域における販売代理店への強力なサポートが評価され、2013年の「Reseller Middle East Hot 50 Awards(中東地域の販売代理店ベスト50を表彰するイベント)」で最優秀次世代ファイアウォールベンダ」アワードを獲得するなど、その技術力とサポート力は世界的に高く評価されている。
ネットブレインズは、日本における同社の一次代理店である。
社名 | 株式会社ネットブレインズ |
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設立 | 平成7年10月16日 |
資本金 | 5,000万円 |
代表者 | 代表取締役 古畑 雅士 |
本社所在地 | 〒104-0044 東京都中央区明石町6-22 築地ニッコンビル 4階 |
許可免許 | 東京都知事特定建設業許可業者(特-23)第104215号 特定労働者派遣事業厚生労働大臣(特-13)第302686号 |
認 証 | ISO(JIS Q)27001 |